空間を演出する間接照明には様々な種類が存在します。ここでは代表的な間接照明の種類を紹介します。
コープ照明
一般的な住宅などでも馴染みが深い照明方法としてコープ照明が存在します。
コープ照明は天井の隅や壁などに庇やくぼみを作りだし、内部に光源を設置し、その光を天井に反射させる方法で照明を実現します。
天井面に柔らかい光が拡散されることで、室内も幻想的な雰囲気での空間づくりにも貢献します。
実際にコープ照明を用いられる場所は、ホテルのロビーなどや廊下、旅館の玄関、美術館などで落ち着きのあるイメージを作り出したい場所に活用されることも多いです。
室内に活用された場合は、室内が柔らかい雰囲気になるため、睡眠や仮眠などができるリラックスルームなどでも採用するとその効果を発揮することができます。
なおコープ照明のデメリットは、広い空間で天井が高くなると足元や手元まで光が届かない可能性があることです。
そのため、コープ照明では物足らないこともあり、別に補助照明も設置することが必要となるケースもあります。
床から天井までの距離がそれほど高くない場合で、しかも床面積が広い場合に、コープ照明の優れた効果を発揮することが多いです。
コーニス照明
間接照明で採用されることの多い照明の一つにコーニス照明が存在し、それは壁に対して平行な位置に光源を設ける照明方法です。
古代ローマの建築様式などでも見られる独特の照明方法となり、日本においても和風建築で光の加減を重視する書院などの日本家屋でも採用されやすいことで適しています。
壁に平行に光源を設けておくと光を壁面に反射させる形で、壁側から反射による部屋の空間の照明を実現します。
壁や窓にカーテンなどに光が当たり、その反射により室内空間を明るくすることが可能で、その特徴としては空間に広がりを感じさせる効果をもたらすことができます。
実際に設置個所については、コーニス照明は天井が低い場所に適するのが特徴的で、高い位置に照明を設けるとその光源が見えてしまい眩しさを感じることも多く、それがデメリットとなります。
また光源からの光の見え方が位置によって違いが見られますので、あらかじめその見え方の測定や距離、光の加減などを計算して設置を行うことが必要です。
本格的に空間演出に拘りたい方は、専門家による方法で光源の位置を決めたりすることが優れています。
バランス照明
部屋を明るく照らし出す方法として、日本では光を直接あてる直接照明を取り入れることが多かったのですが、光が目に入りやすくて眩しく感じることがありました。
そこで最近はお洒落で快適に過ごせる照明として、間接照明を取り入れる住宅が増えています。
間接照明は、照明器具からの光を直接目に入らないように、光を天井や壁に照射し、その反射光を使って明かりを得る方法です。
柔らかい光になるので眩しすぎず温かみのある部屋になります。
そんな間接照明には様々な設置方法がありますが、その1つがバランス照明です。
バランス照明は、べランドのカーテンの上部などによく使う方法で、そこに光源を設置して、光を上下に照射させる仕組みになっています。
天井やカーテン、壁面などに光をあてて、その反射した光で明るさを得ることができます。
上下に光を照射させることができるので、コープ照明とコーニス照明の中間のようなものだといえます。
また、壁面部分に光でアクセントをつけることができるため、目の錯覚により実際よりも広い空間に見せることができます。
ルーバー照明
間接照明は、直接、光から明りをとるのではなく、その光を天井や壁などに反射させることにより明りをとる照明のことです。
直接、光から明りをとるよりも、明るさがやさしくなりやすい、また反射する角度によっては明りをとる範囲を調節することができると言ったメリットがあります。
間接照明にはいくつかの種類があり、ルーバー照明もその内のひとつです。
ルーバー照明は、ルーバーを点所に配置し、その上部に光源を配置すると言う照明法です。
ルーバーは、羽板と呼ばれる細長い板を組み立てたもので、枠組み対して平行に、かつ隙間があるようにして組み立てられているのが特徴です。
その隙間を調節することで、風や雨などを遮断したり、逆に通過させることができます。
ルーバー照明の場合は、金属や薄い樹脂の板が利用されており、隙間を調節することで光が調節できる仕組みとなっています。
ルーバー照明と言う名称は聞き慣れないと言う人でも、図書館や博物館、また庁舎のロビーなどで見かけることは多いです。
斜め方向からの光をカットできるので、明りを確保しながらも落ち着いた雰囲気を演出することができるのが、ルーバー照明の魅力です。
光天井照明
光天井照明は、直接照明方式の一つで間接照明よりも室内空間を明るくすることができるため、エレベーターホールから会議室、オフィス、商業店舗などでも活用されることが多いです。
天井照明を構成する場合は、天井全面を拡散版を覆うことで成り立ち、拡散版は乳白色樹脂などといった透過性に優れた素材を用います。
拡散版が天井一面で一様に輝いて見えることが大切で、部屋全体を均一に明るくすることができるため、近年は最大限LEDランプのメリットを活かせるタイプの照明器具が開発されています。
店舗では1階吹き抜けやショールームなどで用いられると、空間自体や展示されている物などの美しさを際立たせる効果を得ることも可能です。
また光天井の大きな特徴としては、輝度を緩和し照明の均斉度を高める等の優れた効果を発揮することも多くなります。
注意点としては光源と拡散版の間の距離がある程度存在することが必要で、距離が小さいと光源の影が映し出される可能性もあり見栄えも悪くなります。
他にまぶしさを感じる場合もあり、その場合は格子状のルーバーという遮光板を用いることでまぶしさを抑えることも可能です。